白熱電球と電球型蛍光灯比較
そもそもなぜ、電球型蛍光灯が進められるのか?
国は2012年までに従来の白熱電球の生産を中止して、電球型蛍光灯への切り替えを推進しています。では、そもそもなぜ、白熱電球の生産を中止して、電球型蛍光灯に置き換える必要があるのでしょうか?
理由は省エネ性能です。
白熱電球は60Wタイプのものを光らせるには、省エネタイプ(10%節電型)の白熱電球でも54W(LW100V54W)の電力が必要になります。対して、電球型蛍光灯の場合、同様の明るさを得るのにおよそ21W(EFD25ED/21)の電力で済みます。これが第1に理由として挙げられます。
仮に、60Wタイプの電球を自宅で5個利用しており、それぞれ1日5時間使用した場合の電力消費量と二酸化炭素(CO2)発生量を比較してみましょう。
白熱電球 |
電球型蛍光灯 |
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消費電力合計 | 492.75kw |
191.625kw |
電気代合計 | 11,826円 |
4599円 |
排出二酸化炭素(Co2量) | 191.67kg |
70.51kg |
条件 | 電気代は1kw/hあたり24円で計算 消費電力に対するCO2発生量は京都議定書の計算数値を参照 (1kwあたり二酸化炭素389g) |
期間を長くすれば、その差は歴然となります。また、経済性で見てみても、電気代がおよそ2.5分の1となっている点にも注目です。電球型蛍光灯は白熱電球より高いから・・・。と敬遠される方もいらっしゃいますが、電球の寿命や電気代の削減を考えると決して、電球型蛍光灯は経済的でないというわけではありません。
「消費電力による電気代」「電球・蛍光灯本体の費用」を計算して比較していきましょう。計算は寿命が長い、電球型蛍光灯の定格寿命を点灯させた場合の、白熱電球・電球型蛍光灯の総コストで比較します。
・白熱電球:(LW100V54W)
・電球型蛍光灯:(EFD25ED/21)
白熱電球 |
電球型蛍光灯 |
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実験点灯時間 | 8000時間 |
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1個当たりの単価 | 72円 |
1207円 |
寿命 | 1000時間 |
8000時間 |
交換回数 | 8回 |
1回 |
商品代金(ランプ費用) | 576円 |
1207円 |
電気代 | 10,368円 |
4,032円 |
総コスト | 10,944円 |
5,239円 |
備考 | 電気代は1kw/hあたり24円で計算 ランプの単価は、定価ではなくネットショップでの販売価格を参考にしています。参考元は以下のサイト。 ・電球型蛍光灯-ランプカタログ- ・白熱電球-ランプカタログ- |
と上記のように計算され、トータルコストを考えると電球型蛍光灯の方がメリットが大きいと考えられます。また、実際の費用コスト以外にも、白熱電球は切れやすい(寿命が短い)ので、何度も交換をしたり、都度買いに行ったりする手間がかかります。
こうした意味でも電球型蛍光灯には大きなメリットがあるといえるでしょう。
白熱電球にメリットはないの?
ここまでは、電球型蛍光灯の環境的なメリットおよび経済的なメリットを中心に解説しました。ここまででは、白熱電球の廃止やむなし、電球型蛍光灯に交換するのが、環境にも家計にもやさしいと結論付けることができるでしょう。
しかし、白熱電球にはほかにメリットはないのでしょうか?個人的にはそうは思っていません。白熱電球には白熱電球のメリットがあるのです。
演色性が高い
白熱電球のメリットとして演色性が高いという点が挙げられます。演色性とは、「ランプによる光で照らされたものが、その色本来の色を出すことができるか?」という指標です。(詳しくは:演色性とは)
白熱電球の演色性(演色評価数)は「100」で本来の色を表現する力は非常に優れています。対して電球型蛍光灯の場合、その演色性(演色評価数)は84(09年現在、三菱オスラム製品のケース)とされおり、白熱電球と比較した場合、劣っています。
すぐに点灯する、すぐに明るくなる
白熱電球はスイッチを入れるとすぐに光ります。また、そのときの光の強さも最大の強さとなります。対して電球型蛍光灯の場合、スイッチをいれてもすぐには光りません。ちょっとした間があります。また、点灯した後も、本来の明るさになるにはしばらく時間がかかります。
最近の電球型蛍光灯は改善されつつありますが、やはりその傾向はあります。例えば、トイレのように入っている時間がそこまで長くない部屋の電気の場合、すぐに明るくなってもらいたいものです。用を足して外にでる頃合に明るさがベストになってもしょうがないと思います。こうした点は電球型蛍光灯と比較して白熱電球が優れています。
>>詳細:トイレの照明テクニック
寒冷地での効率が高い
蛍光灯の場合、外気温が低い場合、その性能を発揮することができません。チラツキがでたり、十分な明るさを出すことができないといった問題があります。対して白熱電球の場合は、外気の温度に関係なく、一定の明るさを出すことができます。
>>詳細:蛍光灯の寿命と温度