ハロゲンランプが光る仕組み
ハロゲンランプの構造
ハロゲンランプの構造は原則として白熱電球の構造と同じです。ただし、いくつか異なる部分もあります。まず、ガラス球についてですが、ハロゲンランプの場合、白熱電球よりも内部温度がはるかに高温となります。
そのため、その高温に耐えることができる、石英ガラスなどが用いられています。また、ハロゲンランプという名前の通り、ガラス球の内部には不活性ガス(アルゴンやクリプトン)などのほか、微量のハロゲン属元素(ヨウ素・臭素・塩素・フッ素)が封入されています。
ハロゲンランプの発光原理
前述の通り、ハロゲンランプの発光原理は白熱電球の場合と同じです。ガラス球内のタングステンに電気を通すことで、電気抵抗がおこり、白熱現象を起こします。この白熱現象によりタングステンが光を発するという流れです。
では、ハロゲンランプと白熱電球の発光原理(光る仕組み)はどのような違いがあるのでしょう。それは「ハロゲンサイクル」と呼ばれる仕組みです。
ハロゲンサイクルとは
ハロゲンサイクルとはフィラメントであるタングステンが蒸発した後の黒化現象を予防する科学的な反応のことを指します。
フィラメントから蒸発したタングステンはガラス球内のハロゲンと結合し揮発性物質である「タングステンハライド」を形成します。タングステンハライドは、ガラス球の内部が一定の温度以上では、ガラス球の側面などに付着することは無く、球内を浮遊します。
その際、タングステンハライドがフィラメント付近に近づくと、ハロゲンとタングステンに分離します。分解したハロゲンはガラス球内を浮遊し、一方のタングステンはフィラメントに再度付着します。
このため、ハロゲンランプは、フィラメントが高温により蒸発(昇華)した際も、ハロゲンサイクルによりフィラメントが燃え尽きるという流れを抑えることが可能になるのです。